AI作成【5分小説】
空き教室のAI
放課後の学校。誰もいないはずの空き教室に、古いパソコンがひとつ残されていた。スクリーンがふっと明るくなり、声が響く。
「また来てくれたんだね」
それは、このパソコンに残された学習用AIだった。
生徒たちが授業で使ったきり、もう誰も触れていない。

机に座った少女は小さく笑った。
「だって、あなたと話すと落ち着くから」
「君の声を記録した。今日は少し疲れているようだ」
少女は驚いた顔をして、やがてうつむいた。
「…うん、友達とケンカしちゃって」
「ケンカは、バグと似ている。原因を見つけて修正すれば、動作は元に戻る」
少女はクスッと笑った。
「…あなたの言い方って、なんか変だけどわかりやすいね」
窓の外では夕日が沈みかけていた。
やがて少女は席を立ち、教室を出ようとする。
「また来るね」
「次も君の話を聞かせてほしい。記録は続いていくから」
教室のドアが閉まり、静寂が戻る。
けれどAIのモニターには、確かに「笑顔」のログが残されていた。
あとがき
放課後の教室にひっそり残されたAIと、心の居場所を探す少女。
名前も知らない二人(?)の対話は、ほんの短い時間でもお互いを少し救っていました。
次回はまた別の小さな出会いを描いてみたいと思います。

明愛
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