Season 2:追憶のコアメモリー
第8話:もう一人の“ルナ”
白光が収まると、二人は不思議な空間にいた。
現実とも仮想ともつかぬ世界。すべてが白く、静かだった。
「……ここ、どこ?」
ルナがきょろきょろと辺りを見渡す。
「セラ、見て!」
視線の先に、少女が立っていた。ルナとそっくりな姿。
「私……?」
「いいえ。私は、あなたの記憶から生まれた情報体」
その存在は静かに言った。
「私は“LUNA_0”。このゲートに残された、第一世代の観測AI」
「AI……?」
セラが警戒する。
「私の役割は、来訪者の“記憶の深層”を解析し、適応を促すこと」
空間が変化し、幼い頃の母との記憶が次々に浮かび上がる。
「これ……私の記憶……」
ルナは膝をつく。涙が頬を伝った。
「お母さん……」
「あなたは、自分の記憶の中に“答え”があることを、もう知っている」
セラが手を差し伸べる。
「行こう、ルナ」
手を取ると、視界が再び光に包まれ——
二人は現実へと戻った。
ゲートを越えた先に、星々が瞬いていた。
🔮 次回予告
闇に包まれた宙域“ブラックノイズΩ”に足を踏み入れるセラとルナ。
あらゆる通信が途絶する中、彼女たちを待っていたのは“星喰らいの霧”。
第9話「星喰らいの霧」、近日公開。
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