ツインライト・オービット ―双子たちの星巡り―(2-1)

第7話:航路の先へ

Season 2:追憶のコアメモリー

第7話:航路の先へ

セレスティア号は、既に地球圏の外縁を越え、ユーフォリア宙域へと入っていた。
コックピットには、姉のセラが座り、横のシートにはルナがリラックスした様子で浮かんでいる。

「あと数時間で、ユーフォリア・ゲートだね」

ルナが口にアメを入れながら言う。

「ここまで順調すぎるくらい。……逆に不安になる」

セラは計器を見つめながら、思案するように呟いた。

「母さんの通信ログが、あんな場所に向かってたなんてね」
「うん。でも、あたし……なんか懐かしい感じがするんだ。あのゲート」
「懐かしい? 来たこともないのに?」
「うん。でも、夢で何度も見たことある気がする。ゲートの先の、青い光……」

セラは言葉を失う。妹の直感は、時に現実を凌駕することがあった。

そのとき、LUNA_013のアラートが鳴る。

「ゲート手前に未確認の浮遊物体。質量反応あり」
「回避機動に入る!」

セラが操縦桿を握る。前方に現れたのは、光の膜のような薄い結晶体の集団だった。

「何あれ……綺麗……」

ルナが無意識に手を伸ばす。
その指先が、ゲートから漏れる青い光に触れた瞬間——

——視界が、白く染まった。

第7話:航路の先へ

🔮 次回予告

ゲートの光に包まれたルナたちを待っていたのは、もうひとりの“ルナ”──。
鏡像のように現れた存在は、敵か味方か?
第8話「もう一人の“ルナ”」、まもなく公開。

👈 第6話:光の向こう側へ を読む   第8話:もう一人の“ルナ” を読む 👉

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